在宅避難のすすめ・水とトイレの準備

大規模災害時の避難のあり方のひとつに在宅避難があります。
電気、ガスの停止など起きた時を想定すると、何をどれほど備えればいいのか悩むところです。
この記事では在宅避難での水とトイレの準備について考えます。
この記事は私自身の準備のため調査した内容をもとに構成しています。
以下のような状況で10日間の在宅避難できるような用意を検討しています。
・停電
・ガス使用不可
・上下水道停止
この記事でわかること
- 在宅避難時の水の準備
- 在宅避難時のトイレの準備
参考資料
書籍『マンション防災の新常識 逃げずに留まる 在宅避難 完全ガイド』を参考に準備をしています。
以下は目次の一部の抜粋です。
今回は06~07を参考に、在宅避難時の水、トイレについて検討します。
第3章 自宅で備える 災害時の食料・水・トイレ・連絡方法
01 家庭の防災力 マンションの防災対策に欠かせない自宅の備え
02 家の中でケガをしない対策 在宅避難時の生活空間も確保
03 災害時の食事法 在宅避難時に向けた食事の備えのポイント
04 主食のローリングストック 無駄な備蓄はしない
05 湯せん用ポリ袋とカセットコンロ お勧めの2つの調理ツール
06 お風呂の残り湯も飲料水になる 「携帯浄水器」を使う
07 災害時のトイレ対策 防臭袋と小便の処理がポイント
08 習慣化しておくと役に立つこと 「災害用伝言ダイヤル」を利用する
Information 「ポリ袋調理法」のたくさんのメリット
書籍『トイレからはじめる防災ハンドブック 自宅でも避難所でも困らないための知識』も参考に準備をしています。
総合的な防災の備えについてはインターネットに有効な情報が多くのあります。
たとえば総理官邸でも備蓄や非常用持ち出しバッグについて説明しています。
→総理官邸の防災の手引き
→総理官邸の災害が起きる前にできること
→防災の備えチェックリスト
災害時の水の備え
飲料・調理用水は1人につき1日3リットルの水が目安
政府機関などによると飲料・調理用水は1人につき1日3リットルの水が目安としています。
最低でも3日分=9リットルの備蓄を推奨しています。
飲料・調理用水の必要量=3L×日数×人数
大規模災害でのインフラの回復が遅れた場合を想定し、10日の備蓄を考えると、一人当たり2Lペットボトル×15本となります。
保存水はペットボトルや長期保存用の備蓄水(5〜10年保管可)が便利です。
しかし通常のペットボトル水をローリングストックで保存・利用することでもよいでしょう。
どちらを使用するにも賞味期限切れにならないよう日常的に補充しましょう。
水道水のローリングストック
書籍では7本の2リットルペットボトルを使い、水道水を確保する方法を説明しています。
毎日1本ずつ植木に与えるなどし、14リットル分を確保しておくというものです。
この方法で買い置いておく分を減らすことができます。
水道水は冬場は1週間、夏場は3日間は飲み水として使えます。
それ以上たった場合は沸かして使うなどします。
自宅用温水タンクの利用
エコキュートやオール電化の場合、自宅用の温水タンクを持っているのであれば、
温水タンクの中の水を利用できないか確認することを勧めています。
タンクには400リットル前後の温水が溜まっています。
水道水同様には冬場は1週間、夏場は3日間は飲み水として使えます。
タイプ | タンク容量(L) | 対応する家庭人数の目安 |
---|---|---|
コンパクトタイプ | 約180L | 1~2人世帯 |
標準的な家庭向け | 約300L | 2~4人世帯 |
より多めにお湯を使う家庭向け | 約370L | 3~5人世帯 |
大家族・多用途利用向け | 約460L | 4~6人以上 |
携帯浄水器 – お風呂の残り湯も飲料水にできる
携帯浄水器を利用することでお風呂の残り湯も飲料水にすることができます。
高価なものから廉価なもの、アウトドア用などいろいろありますが、書籍では「スーパーデリオス」がおすすめされています。
入浴剤が入っていないお風呂の水であれば、飲料水にすることができます。
またポリタンクなどの溜め水も利用可能なので、
定期的に水道水を入れ替えるポリタンクを用意することで、飲料水を確保できます。
使用できる水には制限があります。飲用であれば注意しましょう。
使用条件
- 使用できる水
- 水道水、地下水、井戸水
- 魚などの生物が生息している谷川·河川水·湖沼水
- ポリタンクなどの溜め水·入浴剤などが入っていない風呂水·トイレのタンクの水
- プールの水、雪解け水、雨水など
- 使用できない水
- 魚などの生物が生息していない谷川、河川水、湖沼水
- 生活排水、工場排水、農薬、除草剤などが流れ込んでいるおそれのある河川水、湖沼水
- 毒劇物、有機溶剤、有害重金属などがとけ込んでいるおそれのある水
- その他、海水、ウィルスなど有害物質を含むおそれのある水
生活用水は1人10~20リットル必要
政府機関などによると生活用水(トイレ、手洗い、洗い物)には1人1日10~20リットルが目安。
3日分=30~60リットルの備蓄が推奨されています。
温水タンクがあれば、ある程度生活用水として使うことができます。
温水タンクがない。あるいは保管場所がない場合、10日分の生活用水を備蓄するのは、通常は厳しいものと思われます。
お風呂の残り湯、ポリタンクの溜め水を最低限のために使うということになります。
そもそも下水道が止まっている状況であれば、トイレ用の水は不要です。
洗い物も最低限にしなければなりません。
私個人の対応としては保存場所の問題もあり、生活用水は優先度を下げて、18リットルポリタンク×1程度で考えて置こうと結論しました。
災害時のトイレの備え
水を使えないことを想定し、携帯トイレを用意する
下水を使えない。水を使えない状況でのトイレ対策は、携帯トイレを購入することです。
しかし実際に排泄物を入れて実験すると臭いの問題が大変なのだとか。
小便は短時間で固めて消臭してくれるが、大便のほうは臭いが消えないのだとか。
ゴミの収集が正常にされるようになるまでは保管が必要です。
臭い対策は防臭機能を持つ袋を使うことで対策します。
凝固剤を入れた排泄物の袋を防臭袋に入れ保管します。
このときBOS防臭袋がおすすめされています。
大人用おむつ・ペットシーツ・生ゴミなどの処理に使われるものです。
またこの防臭袋を組み合わせた非常用トイレセットもあります。
必要な携帯トイレの数ですが、トイレの回数によって変わります。
まずは大体の見積もりをして準備しましょう。
「トイレから始める防災ハンドブック」ではトイレでの必要な備えを知るために「排便日誌」「排尿日誌」をつけると、必要な携帯トイレの数がわかりやすいと提案しています。
携帯トイレの必要数=人数×回数×日数
実験的な試みーネコ砂、尿取りパッドの利用
高校生の研究として話題になった試みがあります。
尿取りパッドとネコ砂の併用で防災トイレを作る方法が試されています。
小便だけでもこの方法で処理すると安価で処理できるかもしれません。
→猫砂で「防災トイレ」 高校生が作ったら、文科大臣賞
個人的な経験ですが、ネコ砂が実施に役に立った経験があります。
1Rマンションに住んでいた時にトイレを詰まらせて、数日トイレを使えなかったことがあります。
スーパーのビニール袋を二重にしてネコ砂を入れ、小便を入れ対処しました。
書籍でも小便は別に処理すると、コスト高な非常用トイレを使う回数を減らせるため、
ネコ砂+アイラップ+BOS防臭袋も有効な小便対策にできるかもしれません。
トイレットペーパーの見積もり
トイレットペーパーの備蓄の必要量の見積もりのためには、水が使えない状態での消費量を知る必要があります。
小便、大便での1回分の使用量(長さ)をはかり、回数を掛け算して、使用量がわかります。
「トイレから始める防災ハンドブック」では1か月分の備えを呼び掛けています。
まとめ
10日程度の在宅避難のための水とトイレについて検討しました。
すぐに準備を完全なものにするのは難しいです。
すこしづつ準備を進めたいと思っています。

