本の紹介
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在宅避難のすすめ 登山技術応用のための5冊

mtwalker
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近年予想もしない大きな災害が各地で発生し、避難が呼び掛けられることが見受けられます。
しかし人口の密集した都市部ではいざというときに支援が受けられないではないか。と懸念されています。

昨年引っ越して、改めて防災について考えてみようと考えました。
自身の対策のため、在宅避難と登山技術の応用の観点から5冊の書籍を選びました。

在宅避難とは

災害が発生した際に、自宅が安全であれば避難所に行かず、自宅で避難生活を送ることを意味します。
これは特に地震や台風などの広域災害時に重要な避難の選択肢として注目されています。

在宅避難ができる条件

  • 自宅が倒壊・浸水などの直接的な被害を受けていない
  • ライフライン(電気・水道・ガスなど)に問題があっても、生活の継続が可能
  • 自分や家族が安全に過ごせる環境が確保されている

在宅避難が必要とされる背景

  • 避難所は感染症のリスク(例:コロナウイルス)や混雑によるストレスが高まる可能性があります。
  • 被災者全員が避難所に収容されることは現実的ではなく、行政も「避難所に行くこと=避難」ではないと明言しています。

例えばさいたま市では条件が整えば在宅避難をし、3日以上の備蓄をすることを進めています。

在宅避難という考え方 – さいたま市https://www.city.saitama.lg.jp/006/014/010/001/012/019/p099073_d/fil/02-05.pdf

在宅避難のための5冊

数多くの書籍や情報があります。
私自身が用意するものを確認する目的で以下の書籍を選びました。

マンションを想定した在宅避難ガイド

書名   マンション防災の新常識 逃げずに留まる 在宅避難 完全ガイド
著者名  釜石 徹
出版社  合同フォレスト
出版年  2020/11/7
ページ数 205ページ

「自分の命は、自分で守る」――その第一歩は「備えること」から。

災害時に命を守り、生活を継続するための「現実的な備え」を、マンションという居住形態に特化して徹底的に解説した一冊です。
著者が着目するのは、首都圏の火力発電所集中・人口密集エリアに暮らす私たちの生活基盤が、地震や災害によっていかに脆弱になり得るかという視点です。
とくに、10日以上の停電が発生する可能性があるという事実に警鐘を鳴らしながら、いかに自助・共助を機能させるか、住民全体で災害にどう備えるかを丁寧に解説しています。

主な内容

  • 住民自らが主導する防災対策の提案
  • 災害後すぐに役立つスマートシート&マニュアルの活用
  • 自宅での飲料水・トイレ・食料・情報・避難・救助など、分野ごとに徹底解説
  • 災害直後にやるべきこと・やってはいけないこと
  • 避難所の現実と限界もふまえ、在宅避難・地域連携の重要性の提示

本書は「難しい専門知識」ではなく、「実際に役立つ情報」を誰にでも分かりやすく伝えてくれる内容です。
災害が来る前に、自分と家族、そして住まいを守るための準備を、この1冊で始めてみてはいかがでしょうか。

この本をおすすめしたい人

  • 都市部のマンションに住むすべての住民
    とくに家族単位で暮らす方や、高齢者を抱える家庭には必読。避難できない状況を想定した「在宅避難」のための知識が満載です。
  • マンションの防災委員・管理組合の関係者
    住民全体を巻き込む防災マニュアルの作成や訓練の企画において、本書の事例とノウハウが極めて参考になります。
  • 災害への備えに不安を感じている個人
    何から始めていいかわからない方も、この一冊を読めば「これだけはやっておくべきこと」が明確になります。

戸建を想定した在宅避難ガイド

トイレからはじめる防災ハンドブック

書名   避難所に行かない防災の教科書
著者名  西野 弘章
出版社  扶桑社
出版年  2020/8/30
ページ数 143ページ

「避難所に行く」だけが正解ではない

2019年の台風被害や新型コロナの経験から、多くの人が実感したのは「自宅での避難=在宅避難」の重要性です。
本書『避難所に行かない防災の教科書』では、著者自身の被災体験をもとに、「自宅を災害に強くするDIY」「ライフラインの自給自足」「本当に使える備蓄品」など、実践的かつ現実的な防災ノウハウを豊富に紹介しています。

災害時、必ずしも避難所が安全とは限りません。ペット・乳幼児・高齢者などを抱える家庭にとって、自宅の方が安全・安心であることも。
本書は、「逃げない防災」をコンセプトに、自宅でのサバイバル生活を現実的に成立させる知識と工夫を、豊富なDIYアイデアと図解で丁寧に解説しています。

主な内容

  • ハザードマップで自宅の危険度を見極める方法
  • 台風・地震・断水・停電対策をDIYで実施する方法
  • 太陽光・ロケットストーブ・雨水利用による生活インフラの代替方法
  • 被災生活を2週間生き抜くための工夫と知恵
  • 家族構成に合わせた備蓄と避難対策(乳幼児・高齢者・ペット対応)

災害はいつか必ずやってくるもの。
「避難所に行かず、自宅で家族と過ごす」という選択肢を現実のものにするために、一家に一冊、必携の実用書です。

この本をおすすめしたい人

  • 小さな子どもや高齢者、ペットと暮らす家庭
    避難所生活が難しい家庭こそ、自宅避難の準備が重要です。
  • マンションや戸建てに住む防災意識の高い方
    自宅の耐震・耐風・断熱強化をDIYで実施したい人に最適です。
  • 災害時にもライフラインを確保したい都市部在住者
    ポータブル電源、太陽光、雨水利用など都市型自給自足のヒントが満載です。

災害時のトイレを考える

書名   トイレからはじめる防災ハンドブック 自宅でも避難所でも困らないための知識
著者名  加藤 篤
出版社  学芸出版社
出版年  2024/1/27
ページ数 192ページ

災害時、最も困るのは“トイレ”だった。

地震や台風などの災害時、私たちがまず直面するのが「トイレの問題」です。
水道・電気の停止、避難所の仮設トイレの不足、不衛生な環境…そうした中でトイレの確保は命と健康に直結する問題です。

本書『トイレからはじめる防災ハンドブック』は、災害時のトイレ対策を中心に、「家庭」「職場」「集合住宅」「避難所」それぞれでできる備えと工夫を徹底解説。
ペーパーの備蓄量の目安から、携帯トイレの選び方、仮設トイレ運営の実務まで、トイレ衛生の専門家による具体的な知識が満載です。

特に注目すべきは、トイレを切り口にすることで、災害時の“人の動き”や“心理”にまで踏み込んだ分析がされている点。
本書を読むことで、「自分と家族の命を守るために今なにを備えるべきか」が、より明確になります。

主な内容

  • トイレを我慢することで起きる健康リスクとは?
  • 携帯トイレの正しい選び方と保管方法
  • マンションでの断水・停電時の水洗トイレ対応
  • 避難所のトイレ運営に必要な知識と工夫
  • 障害のある方や高齢者にも配慮したトイレ環境の整備法

「なんとかなる」と思っていたトイレが、実は一番の落とし穴。
まずは“トイレ”から、命を守る防災を始めてみませんか?

この本をおすすめしたい人

  • 家庭で防災を始めたいが、どこから始めていいか迷っている方
    トイレを切り口に、具体的で実践的な防災知識が得られます。
  • マンションや集合住宅にお住まいの方
    停電・断水時のトイレ利用法や、上下階との連携方法を学べます。
  • 自治体や地域の防災リーダー、防災担当者
    避難所運営に不可欠なトイレ環境整備のノウハウが網羅されています。

登山技術を応用して・その1

もしも…に慌てない 登山式DE防災習慣 お役立ちコミックエッセイ

書名   もしも…に慌てない 登山式DE防災習慣 お役立ちコミックエッセイ
著者名  鈴木 みき
出版社  2020/11/6
出版年  講談社
ページ数 154ページ
※2025.6.1時点でKindleUnlimited対象です。

「登山」は「防災」にも役立つ!

著者の鈴木みきさんは登山関係の著作も多いアウトドア愛好家で、防災士でもあります。

この本は、防災の知識を“山登りの習慣”から楽しく学べるコミックエッセイです。
「登山」と「防災」は一見別物のように見えますが、実はどちらも「事前に備え、自然に挑む行動」。
本書では、登山の基本装備・食事・移動・判断力などの知恵を、日常の防災に活かす方法を、軽やかなマンガと実用知識で紹介しています。

著者自身の登山エピソードや、初心者とのやりとりを通して、防災がぐっと身近に感じられる構成になっており、「防災って難しそう…」と感じていた人にもおすすめの一冊です。

主な内容

  • 第1章:登山って、どんなこと?(登山と防災のつながり)
  • 第2章:防災に役立つ登山の衣食住+歩(山装備の防災メリット)
  • 第3章:ホントの防災のこと(防災の基本と考え方)
  • 第4章:私の備え術(ひとり女子でも安心な道具ガイド)
  • 第5章:棚ぼた?検証ストーリー(山で気づく防災感覚)
  • その他:防災力診断チャート、ポリ袋炊飯のコツ、カラー警報の読み取り方、自宅でできる避難訓練チェック

この本をおすすめしたい人

  • 防災を始めたいけれど「何からやればいいか分からない」人
    登山を切り口にした防災知識で、自然に「備える力」が身につきます。
  • 一人暮らしで、防災に不安を感じている人
    第4章では「ひとり女子」の備えを具体的にガイド。
  • 登山が好きな人、アウトドア初心者の人
    登山と防災の“意外な共通点”に納得。日常生活にも応用できます。

登山技術を応用して・その2

キャンプ気分ではじめる おうち防災チャレンジBOOK

書名   キャンプ気分ではじめる おうち防災チャレンジBOOK
著者名  鈴木 みき
出版社  エクスナレッジ
出版年  2023/3/2
ページ数 128ページ

「防災=備蓄」だけじゃない。アウトドア技術を防災を取り入れてみませんか?

この書籍は、防災という重たいテーマを、アウトドアやキャンプの視点からポジティブに捉え直し、自宅での備えを始める工夫を紹介するコミックエッセイです。

著者は上で紹介した書籍と同じ鈴木みきさん。
2018年の北海道胆振東部地震を札幌で経験し、そこから在宅避難や備蓄の大切さを実感。
その体験を元に、「日常生活の延長で備える」「山での体験は防災に通ずる」という視点で語られる内容は、読みやすく親しみやすいイラストとともに、初心者にもスッと入ってきます。

水・電気・ガス・トイレ・食料・照明など、アウトドアでも災害時でも「共通する備え」が多いことに気づけるのもこの本の魅力。
「山での経験がこんな形で役立つとは!」という発見とともに、「自分ごと」として防災を考えるきっかけをくれる一冊です。

この本をおすすめしたい人

  • アウトドアやキャンプが好きな人
    日常の延長として防災に取り組みやすく、「備える」ことへの抵抗感が少ない。
  • 防災に興味はあるけど、何から始めていいか分からない人
    コミック形式で読みやすく、基本的な備えを自然に学べる。

最後に

防災は、完璧な準備を目指すものではありません。
できることから、少しずつ。
日常の中に「備え」を取り入れていくことで、いざというときの不安を減らせます。

今回紹介した5冊は、どれも「今の生活の延長」で無理なく始められる内容ばかりです。
ぜひ、自分に合った一冊を見つけて、今日から備えをはじめてみてください。

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すかいす
すかいす
駆け出しブロガー
埼玉県在住。主に関東圏の山に登っています。都内や埼玉県内の散歩もします。
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