「講」について調査

山岳信仰と講集団についての書籍を読む中で、講について調べたのでまとめました。
この内容は講を調査する際にChatGPTで調査したもので、内容の正しさについては未確認です。
山岳信仰と講集団とは?
山岳信仰とは?
日本では古くから、山を神が宿る聖地(霊山)と考え、山そのものを崇拝する信仰が発達しました。
山は水源や天候と関わるため、五穀豊穣・雨乞い・災難除けなどが主な祈願内容です。
講集団とは?
「講(こう)」とは、信仰を共有する人々がつくる地域の信仰仲間(信者組織)です。
- 講員が費用を出し合い、代表が霊山に代参(代理で参拝)
- 神社や霊山で授かったお札や護符を地域に持ち帰り配布
- 帰村後は「講の日」として講宴(食事・祈祷)を実施
山岳信仰と講集団
山岳信仰は、山に神仏の霊力を見出し祈る信仰。
講集団は、その信仰を共同で実践・継承する地域の組織です。
日本各地に今もその名残が見られ、文化や祭礼の土台となっています。
講はどれぐらいあるか?
日本各地に伝わる「講」は非常に多様で、その多くは地域ごとの山岳信仰や火防・漁業などの実利的な祈願、あるいは仏教への信仰から成立しています。
以下、代表的な講を目的や起源別に整理します。
A. 山岳信仰・修験道系
霊山登拝・修行が中心。白装束・金剛杖などが用いられるものも。
- 富士講(富士山)
- 榛名講(榛名山)
- 戸隠講(戸隠山)
- 木曽御嶽講(御嶽山)
- 羽黒修験道(出羽三山)
- 飯豊山信仰(飯豊山)
- 金峯山講(吉野山・金峯山)
- 高尾山講(高尾山)
- 蔵王講(蔵王山)
- 熊野講(熊野三山)
さらに、地方には三峯講・古峰講・大峰講などの地名由来の山岳講も多数存在
B. 火防(火災除け)信仰系
江戸・町家・農村で火除け祈願のため盛んに組織された講。
- 秋葉講(秋葉山) – 全国に勧請された火防講の代表格
- 愛宕講(愛宕山) – 武士・町人の火防信仰
- 成田講(成田山新勝寺) – 弘法大師由来の火防・厄除講
- その他、地域の火防大日講など多様な火防系講が各地にある。
C. 武神・国家安泰・厄除け系
神社祭神への国家安泰や厄除けを祈願する講。
- 鹿島講(鹿島神宮)
- 香取講(香取神宮)
- 山王講(日枝神社)
- 赤城講(赤城山)
- 妙義講(妙義山)
D. 航海・商売繁盛系
漁師・商人・職人などが集う、生活密着型の講。
- 金毘羅講(金刀比羅宮)
- 恵比須講(恵比寿神)
E. 仏教・民間信仰系
日常の安心(厄除け・健康・学業)のための寺社講。
- 津島講(津島神社:牛頭天王)
- 柳津虚空蔵講(虚空蔵菩薩)
- 川崎大師講(川崎大師)
- 庚申講(庚申信仰・青面金剛)
分類 | 代表的な講 | 備考 |
---|---|---|
A. 山岳修験系 | 富士・榛名・戸隠・木曽御嶽・羽黒・飯豊・金峯・高尾・蔵王・熊野・… | 地名由来の山岳講も多数 |
B. 火防系 | 秋葉・愛宕・成田・地域の火防大日講 | 火止め信仰の代表格 |
C. 武神・国家系 | 鹿島・香取・山王・赤城・妙義 | 武運・国家・厄除けの祈願 |
D. 商業・航海系 | 金毘羅・恵比須 | 商人・船乗りの信仰 |
E. 仏教系・庶民講 | 津島・柳津虚空蔵・川崎大師・庚申 | 日常安心・健康・学業を祈る |
その他の講は?
以下に、ChatGPTで先に挙げられた講以外の、地域や目的ごとに知られる代表的な講集団を再度できる限りピックアップしてもらいました。
月待ち・女性講系
- 二十三夜講:旧暦23日の月の出を待つ「月待ち」の講。月の加護や武運長久を願い、全国に広まった。
- 十九夜講:同様に旧暦19夜に行う月待ち講。女性中心で月の信仰を軸とする。
- 子安講:子安観音・地蔵を祀る安産・子育て祈願の講。女性が中心。
巡礼系・経済的講
- 伊勢講:伊勢神宮への参拝を目的とする講。郷里の安全や繁栄を願った巡礼講。
- 三峯講/古峯講:三峯山・古峰ヶ原への登拝講。山岳信仰・修験道に連なる小規模な講。
地域・生活習俗系
- 契約講(東北など):農作業や互助を目的とした講。経済的・社会的な結束の場 。
- 触(ふれ)講(散居地域):集落維持や互助機能を担う地域講。
その他の月信仰・仏教講
- 月待ち講:満月・十三夜・二十六夜などの月を祀り、無病息災・農業安泰を祈願。女性が中心となり、夜通し語らうことも。
分類 | 講名 | 目的・特徴 |
---|---|---|
月待ち・女性信仰 | 二十三夜講・十九夜講・子安講 | 月神・安産・子育て祈願。女性中心 |
巡礼系 | 伊勢講・三峯講・古峯講 | 大社・修験山への巡礼 |
地域互助 | 契約講・触講 | 農村集落の経済的・社会的結びつき |
その他月信仰 | 月待ち講 | 満月・十三夜など月を祀り祈願 |
補足メモ
- 子安講は、安産と育児の願いで結ばれ、集落の情報交換と娯楽の場でもあった。
- 二十三夜講は、中世以来全国的に行われ、地名の由来にも影響を残している。
- 伊勢講は、郷里の人々が相互扶助と巡礼を目的に組織した講で、とりわけ広く信仰された 。
まとめ
今回挙げた講以外にも、日本全国には数百〜千規模の多様な講が存在したといいます。
それぞれ、祈願内容・信仰対象・構成者の違いによってバリエーションが広がり、江戸期の民間信仰文化の豊かな構造を示しています。
個人的な補足
私の実家は筑波山麓の農村部なのですが、「さんのんさま」と呼ばれる御社を祀る、数件のご近所さんとの祭りごとがありました。
山王講のひとつだったのかもしれません。
近郊に日枝神社もあるので、関係性がありそうです。
